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May 2006

Vol. 11

発行:グレイスタディケア

     
                 
     

 草わかば 色鉛筆の 赤き粉の ちるがいとしく 寝て削るなり

(北原白秋)

 万緑の候 お健やかにお過ごしのことと存じます。今年のゴールデンウィークは、お天気に恵まれ、清々しい日々の中、それぞれに休暇を楽しまれたことでしょう。私は、日頃手の回らない大掃除に励みました。想像を絶する埃との闘いとなりましたが、この季節の大掃除は暑くもなく寒くもないためガラス拭きも苦にならず、運動をかねていい汗をかき、大変気持ちの良いものでした。

 さて、冒頭の歌は、以前中1国語の教科書に収録されていたものです。この歌は、初句切れであること、緑と赤の色彩の対比で若葉の季節が印象付けられる、と理解できることが学習内容として挙げられますが、それ以前に、「草原に寝転んで、色鉛筆を削る」という行為そのものの理解が現代の子どもたちにはなかなか難しいものとなっています。今はやりのスローライフは、中学生には縁がないようです。

 

月のスタディケア

 

《 中学受験生の皆様へ 》

 順調にカリキュラムに従って学習を進めている様子です。今月は、学校の行事なども予定されているところもあり、学校生活と学習生活の両立がポイントとなるかと思いますが、バランスよくスケジュールを立てることが大切です。

 

《 小学生進学総合コースの皆様へ 》

 特に私立校に在籍している場合、教科書どおりに授業が進むことはむしろ稀で、たいていは各校独自のカリキュラムに従って学習が進んでいます。その場合のメリットとデメリットを検討してみますと、メリットとしては、私立ならではの教育内容となっており、ユニークな授業展開のもと、生徒の学ぶ意欲を高め、深く物事を考える習慣を身に付けることができるという点でしょう。

 一方、デメリットとしては、それに伴い誰もが習得している基礎的知識として、教科書的・網羅的な知識を段階的に学ぶ機会が損なわれる場合があるということが挙げられましょう。しかし、この問題点は、各ご家庭において市販のドリルなどで十分対応できる内容ではあります。ただ、難しい点は、どうしても習慣づけて定期的に学習することが継続しにくいところにあります。その場合は、そのような時間を意図的に設け、該当学年の学習内容の取りこぼしがないようにご留意ください。 もちろん、私どもはこの点に腐心して指導を進めております。

 

《 特別生の皆様へ 》

 新しい中学校生活にもそろそろ慣れてきたことでしょう。今月は、初めての中間考査を迎える人も多いですね。毎日の授業を大切にしている人にとっては、さほど大騒ぎをすることはないのですが、それでも、小学校のときのテストとは違い、公的な成績として(つまり実績として)残るものですから、中間・期末考査はおろそかにできないわけです。

 初めての考査ですので、戸惑いもあるかと思います。わからないことがあれば、なんでも構いませんから、気軽に相談にいらしてください。電話やメールでも受け付けています。

 一番大切なことは、学校の授業で学習した内容、特に教科書・ノート・プリント・小テスト・問題集・資料集は学習した範囲すべてのどこからでも問題が出題される可能性がありますから、ひととおり目を通し、書いて覚えて、頭の中に整理しておくことです。これは簡単なようで、全科目にわたって学習すると、結構時間がかかるものです。考査の10日〜2週間ほど前から、復習に時間をとるようにしてください

 

〜 コラム 「 エピソード1」 〜 

 

 私が夫とともに個別指導塾を原宿で開業してからはや23年。その間、何百組の親子と出会い、たくさんの思い出をいただきながら、あっという間に過ぎてしまったというのが実感です。たくさんの経験の中から、特に印象に残っていることを時折まとめておこうと思います。

  開業当時は教室兼自宅となっており、初年度は4月から開校し、ほんの数名の塾生を集め、試行錯誤の中で毎日をすごしておりました。  11月のある晩、11時近かったでしょうか、1ヶ月ほど前に入会した小学4年生のA子ちゃんから、「今、目が覚めたら、お母さんがいないの?どうしよう?どこにいっちゃったんだろう?」と、泣きながら電話がかかってきました。「お父さんは?」と尋ねると、「いない。まだ帰ってきていないんだと思う。」とのこと。A子ちゃんは一人っ子ですから、夜中に家にひとりきりとなれば、それはさぞ動転し、どうしたらいいのか途方にくれて、とりあえず私に電話をしてきたのでしょう。私も“さて、どうしよう?”と思案にくれ、とっさに「それじゃあ、これからおうちに行くから待っててね。大丈夫だからね。」と電話を切り、コートと小銭をもって飛び出していきました。

 近隣から通っている生徒の自宅の場所もだいたい把握しておりましたので、すぐに到着し、玄関のチャイムを鳴らします。不安そうにA子ちゃんがインターホーンで「はい」と返事をします。「先生よ。中に入ってもいい?」というと「ちょっと待って」の返事。しばらくガチャガチャ音がしますが、なかなかかぎは開きません。「開かないよ。」とA子ちゃん、またべそをかいているようす。「じゃあ、先生ここにいるから、無理しなくていいわ。」と落ち着かせ、ドア越しにしばらくおしゃべりをしていました。

  少しすると、本人も落ち着いてきたのか、「もう少し待ってみるから、先生もう帰っていいよ。」ということ。わたしも、大丈夫と判断し「おやすみなさい」と、その場をあとにしました。  帰宅したはいいものの、ひとりで不安だろうとあまり熟睡できず 翌日、念のためお宅に電話を入れたところ、お母様は恐縮至極。真相はご想像におまかせするとして、「それにしても、親戚の電話番号も知っているはずなのに、どうして入りたての先生のところに電話したのでしょう?」と。やはり“遠くの親戚より、近くの知人”ということなのでしょうか。

 それにしても、大事にならず、ほっと安堵の一件でした。A子ちゃん、元気にしていますか?   

 

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