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正しい英語表現をしましょう―塾は詰め込み教育機関ではありません

学習塾は英語で表現するとしたら、何と表現するのが正しいのでしょうか。

“Juku-School”

これが正解です。しかし、”Hancho”や”Tsunami”などといった、日本語が語源の英語表現とは違い、世界的に日本のような学習塾が存在するのは、韓国だけかもしれません。最近は中国でもブームになっているようですが。ですから、学習塾を”Juku-School”と呼んでも通じないでしょう。

英語辞書(The WISDOM)によれば、次のような記述があります。

a juku (school), a private-tutoring school; (補助的な)a supplementary private school

!! a cram school は「一時的な詰め込み」で不適 とあります。

私も何回かヨーロッパの知人に学習塾を説明する際に、この”a cram school”という表現を使ったことがありますが、一度もピンときてはもらえませんでした。この”cram”という言葉が何ともなじまないのです。

“cram”とは、特に英国では「試験に向けて詰め込み勉強をする」つまり「一夜漬け」といった意味合いを含んでいます。確かに学習塾では試験対策や入試対策をするのですが、決して「一夜漬け」の指導などはしません。少なくとも当指導会では、日々の学習を大切にしていますし、学校の授業で理解不足な点をかみ砕いて、解りやすく指導しています。塾に行って、何も理解できないままに詰め込みをされたら、皆さんはどうでしょうか。

やはり、”The WISDOM”の言うように、”a private-tutoring school”と言った方が欧米の人にはよく理解してもらえます。

私は授業が終わってからの夕食になりますので、早い時でも9時半ごろになります。平日はNHKのラジオ放送第2を聞きながら夕食をとるのですが、あるとき、「基礎英語」の番組で、「日本の塾は ”a cram school” と言います。」と放送していました。1週間にわたってその例文を聞き続けたのですが、この「基礎英語」という番組は英語学習者がよく聞いている番組ですので、かなり気になりました。

日本の学習指導要領で教えている英語には、まことに妙な表現があります。

“Am I a doctor?”

まあ、be動詞の疑問形を練習させるわけですから文法的にはあり得ますが、「私は医者ですか?」とお医者さんに聞かれたら、さあ、どうしましょうか….

 

独立不定詞のお話

英語を学習するには不定詞を身に付けなければなりません。言い換えれば、不定詞が解るようになると英語がぐっと身近なものになってきます。

今日は不定詞の用法の中で特別な表現として用いられる「」について学んでみましょう。この独立不定詞は文字通り独立してひとかたまりの意味を表します。ですから理屈ではなく、一種のイディオムのように覚えてしまいましょう。

to tell the truth : 実を言うと。本当のことを言えば。
(文頭、文末で用いられます)
EX. To tell the truth, I cannot play the piano. What should I do?
本当のことを言えば、僕はピアノが弾けないんだよ。どうしよう。

needless to say : 言うまでもなく。
(通例、文頭で用いられます)
EX. Needless to say, you should apologize her.
言うまでもなく、君は彼女に謝るべきだよ。

to begin with : 先ず初めに。先ず第一に。
(少々かための表現です)
EX. To begin with, we have to recognize the circumstance of our market.
先ず最初に、われわれはマーケットの状況について認識しておく必要があります。

to be frank with you : 率直に言えば。あからさまに言うと。
(分詞構文を使って、Frankly speaking とも言えますね。こちらの方が会話的でしょう)
EX. To be frank with you,  you haven’t done your best to pass the examination.
率直に言うと、君は試験に合格するために最善の努力をしてきていないじゃないか。

strange to say : 奇妙な話だが。妙なことに。
EX. Strange to say, she got the high mark in the last math examination although she hadn’t studied hard.
彼女は奇妙なことに、前回の数学の試験で高得点を得たんだ。一生懸命勉強していなかったのにね。

to be sure : 確かに。なるほど。
(文頭で用いられた場合、通例、”BUT”で受けます)
EX. To be sure, he was a great baseball player, but he is the worst manager now.
確かに彼は名野球選手だったが、 今では最悪の監督だ。
(文末でも用いられますが、多少ニュアンスが異なります)
EX. We can say clearly that the accident in the Fukushima nuclear plants was a man-made disaster, to be sure!
福島原子力発電所の事故は人災だよ、まったく!

to say nothing of A = not to speak of A = not to mention A : Aは言うまでもなく。
(☆ not to say と混同しないようにしましょう)
EX. He is a good  at speaking Spanish, to say nothing of English.
= He can speak not only English but also Spanish well. (語順の違いに注目してください)
彼は英語は言うまでもなく、スペイン語も上手に話します。

not to say A : Aとは言わないまでも。あるいはもしかしたらAかも。
(☆ to say nothing of A と混同しないようにしましょう。また挿入句としても用いられます)
EX.  I would like to say that the product has some week spots, not to say poor.
その製品は劣っているとは言いませんが、いくつかの弱点があると言わせていただきます。

to say the least (of it) : 控えめに言っても。
(文中や文末で用いられます)
EX. The relationship of the bilateral countries is going from bad to worse, to say the least of it.
控えめに言っても、両国の関係はますます悪くなってきている。

to do A justice : Aを公平に評すると。
EX. He had refused to follow the party line, but to do him justice, his action was obviously right.
彼は党の方針に従うことを拒否したが、公平に彼を評すると、彼の行動は明らかに正しかった。

to make matters worth : さらに悪いことには。
( = what is worse )
EX. To make matters worse, the rainy season has come.
さらに悪いことに、梅雨の季節がやってきた。

どうでしたか。このほかにもいろいろな表現があります。こうした表現はそのまま慣用句として覚えるとともに、別の表現を使って書き換えるような練習をすると力がつきますよ。一度自分でノートにまとめてみましょう。

英語の力をつけるには

英語は「」をしなければ決して上達しません。よく聞き流すだけで英語がみるみる上達するとか、映画を原語(英語)で鑑賞するとよいとか言われますが、私はそうは思いません。もちろんある程度英語の力がついている人がこうした試みをすれば、さらに力をつけることの助けにはなります。しかし英語が今一つ伸びないなあ、と思っている人は、ぜひアウトプットすることを習慣づけてみてください。本当に力がつきますよ。

私の経験を述べましょう。私が自分の英語に力がついてきたな、と思ったのは、やはり大使館に務めてからでした。私がいた大使館は、リトアニア共和国というヨーロッパ(東欧)のバルト3国の1つでした。日本にある外国の大使館です。そこで、特命全権大使の顧問という肩書で仕事をしていました。

今ではEU諸国の中でも小さな国ですが、中世ではバルト海から黒海に至る広大な領域を有した大公国でした。ですから歴史も古く、首都のビリニュスの旧市街は世界遺産に登録されています。公用語はリトアニア語です。この言語はインド・ヨーロッパ語族に属し、インドのサンスクリット語に近く、古い体系を残している非常に難解な言語の1つです。ですから、あいさつ程度はリトアニア語でするものの、大使館内で同僚の書記官たちと話をするときは英語となります。

駐日の大使館(在京大使館と呼びます)ではいろいろな業務がありますが、その国のナショナルデーには各国の駐日大使夫妻、各国大使館の外交官たちを招いてレセプション(パーティーのようなもの)を毎年開催します。

リトアニア共和国のナショナルデーは2月16日の独立記念日です。余談ですが、世界各国にはどの国にも必ずナショナルデー(国家記念日)がありますが、日本のナショナルデーはいつかご存知ですか?日本国のナショナルデーは天皇誕生日です。この日には世界各国にある日本国大使館で同じようなレセプションが開かれているはずです。

こうしたレセプションではそのほとんどが英語で行われます。大使はリトアニア語で挨拶をしますが、かならず英語の通訳が入ります。私も当然のことながら、各国の外交官たちとお話をする場合や、このレセプションの準備のためのホテルとの打ち合わせも英語です。

そのほかの業務では、日本の団体がリトアニアを視察訪問(これをテクニカル・ヴィジットと言います)したりする際の現地との調整などがありました。時差が7時間ありますから、その大半はメールで行われます。日本時間の夕方は、現地のビジネス・アワーが始まったところですから、メールのやり取りといっても、いわばチャットのようなことがしばしば起きました。こちらが一生懸命気をつけてメールを送ると間髪を入れず返信がきます。

何を言いたいかお分かりですか?英語は「書いたり」「話したり」すること、つまりアウトプットすることで、飛躍的に力が伸びます。

日本に現地のビジネスマンたちがやってくることがあります。そういう時はよく成田空港まで迎えに出向いたものでした。しかし、彼らも英語のネーティブではありませんから、皆さんがCDやラジオ放送で聞くような、美しい英語を誰もが話すと思ったら大間違いです。いろいろな訛りが入ってきます。正直、最初に出会ったときは、相手の言っていることがよくキャッチできない。つまりヒヤリングが出来ないわけです。

ある時から、あることを熱心にやるようにしました。そうすると、不思議なくらいに相手のしゃべっている単語がはっきりと聞こえてくるのです。CDを聞いてヒヤリングの練習をしたのでしょうか?英会話スクールに行ってネイティブ講師に教わったのでしょうか?どれも不正解です。

答えは、成田空港に迎えに行くというものでした。車で迎えに行くのですが、空港で彼らをピックアップした瞬間から、私は積極的に話しかけるのです。彼らは初めて日本に来た人も多く、不案内ですから私が頼りなんですね。必然的に、私の話は一言も聞き漏らすまいと真剣に聞いてくれるわけです。空港から都心の宿泊先までの間、車中でも私は話し続けます。日本の気候、風土、まわりの景色、観光名所やビジネスのこと。話題は山のようにあります。

そうするとどうでしょう。ホテルに着いたころには、本当に自分でも驚くくらいに相手の話がよく理解できるようになっています。こうなるとその後の仕事は大変スムーズです。

皆さんはなかなか英文でメールを書くような機会はないかもしれません。しかし皆さんにも出来ることがあります。それは、自分で英文を作ってみることです。皆さんは「英作文は苦手だなあ」というかもしれません。しかし難しく考えることは何もないのです。

学校や塾で習ったフレーズをどんどんノートに書いてみましょう。その時重要なことは、例文をただ写すのではなく、自分の好きな単語を使って書き直してみることです。例文を丹念に写している人はいませんか?それではただの手の運動になってしまいます。

自分で単語を取り替えてみる。このとき、あなたの頭の中では自然と英文を組み立てようという作用が働きます。これがアウトプットです。単語の意味を調べるときに辞書を使いますね。そうしたら意味に注目するのではなく、例文に注目してください。その単語の意味には直接関係ないかもしれませんが、例文にはどのように表現するかが必ず載っています。「この例文は使えそうだな」と思ったら、今度はその単語を別の単語に置き換えてノートに書きましょう。

問題集を一生懸命勉強しているだけでは力はつきません。テキストに書かれている表現を、一度自分の頭の中で組みなおしてみてください。きっと効果があるはずです。

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